伏拝王子(ふしおがみおうじ)


熊野灘で改めて熊野古道の距離の長さを突きつけられ、
「こりゃ歩くのは無理だ」と諦めて、
今回は熊野三山を巡る旅に変更。

しかし時間が時間なため、熊野本宮へ入るのはまだ早い・・・。
「さてどうしよう?」と道の駅に車を止め考えてると・・・妙なものを見つけました。



・・・「ふく・・・はい・・・おうじ」?・・・・・・「ふせがみおうじ」?
まぁ、読み方はどうでもいいや!後で調べればいいんだし!
それよりも、この距離が魅力的!800mで片道30分!往復でも1時間!
初心者はこれぐらいのところから始めるのがいいんだよ!

・・・と、いうわけでチャレンジすることにしました。
・・・・・・Σ( ̄□ ̄;
いったいなんでしょう?この急勾配は。

そして、この写真を撮ってた直後に上から降りてくる人影。
「おはようございまーす!」
・・・地元の女子中学生デスカ?
・・・ってーか、ここ通学路デスカ?!
約半分まで登りました。
この時点で、かなりヘロヘロです。

・・・っつか、なんか民家が点在してるんだけど・・・。
ちゃっかりこんな看板も・・・。
更に登ること10数分。
やっと到着しました。
しかし、トドメが・・・。(>_<)
これが「伏拝王子」です。
「王子」とは白馬の王子様ではなく、神様の祠のことで、熊野権現の御子神様がそこにいると考えてもらえばよいそうです。
熊野古道には「熊野九十九王子」と呼ばれる沢山の王子があるそうです。
実際に99個ではないですが、沢山という意味での「九十九」だそうです。

その昔、熊野詣を目指した人が熊野まで辿り着けず、王子でお参りをすませたりしたとか・・・。
そんな例がここにあります。
これは『和泉式部』の供養塔です。


和泉式部が熊野詣をして、伏拝の付近まで来たとき、にわかに月の障りとなった。これでは本宮参拝もできないと諦め、彼方に見える熊野本宮の森を伏し拝んで、歌を1首、詠んだ。
「晴れやらぬ身のうき雲のたなびきて
            月のさわりとなるぞかなしき」
すると、その夜、式部の夢に熊野権現が現われて、
「もろともに塵にまじはる神なれば
            月のさわりもなにかくるしき」
そう返歌したので、和泉式部はそのまま参詣することができたという。
伏拝にはこんな茶屋がありました。

熊野古道を歩く人の休憩場所となっているそうです。
しかし、朝早かったため誰もいない・・・。
さて、帰ります。
こんどは今登ってきた道がすべて下りになります。

楽?いやいや・・・。
こ〜んな、下りのどこが楽なものですか!

しかも、この前の晩に雨が降ってくれたらしく、ちょっと気を抜くと滑ります。

足場を確認しながら降りるという、なかなか大変なものでした。
まぁ、体力的には全然消耗しないのですが・・・。